その選択は、ありよりのあり

 多種多様なメーカーを見て、もう正直どこがいいかわかんないよ…という気分のあなた。どのメーカーもオレには違う気がするというあなた。他の人間が今も着用している腕時計をするなんてファッショニスタとしてのプライドが許さないというあなた。費用はかけられないけど特定の高級メーカーや18金ケースでどうしても買いたいというあなた。最近彼女にフラレてその反動でなんか時計を買いたいんだけど新品の時計を買う行為によって元カノの存在を意識してしまいそうで心がキリキリと痛むあなた。
ご安心ください。アンティークウォッチという選択が、そこにあります。



”ユリスナルダンのアンティークウォッチ”

Q.「そもそもアンティークウォッチって何?」

A. クソ簡単に言えば、古い時計です。大体1960年以前くらいの。時計については甘い判断もあって、1970年でもそう呼ぶことはあるし、そもそも本来「アンティーク」は100年以上前のものにつけられるはずが(だから「ヴィンテージ」と呼ばれるべきはずが、)みんな自分と時計に甘くてそう呼んでいます。「現行品」(現在も新品正規品で買える製品)と区別してアンティークと呼びます。現行品にはないものを求めて、日々多くの人々がアンティークにハマっていくとかなんとか。


Q.「古い時計って汚くない?壊れてない?」

A.汚くて壊れてたら一般的には売れないでしょ。確かに、様々な経緯を経てその時計屋さんに辿り着いているので、その意味では新品とは全く異なります。が、売り場に並ぶ前にきちんと整備されていることが普通なので大丈夫です。
但し、時計の考え方として、「磨く=ケースの金属がすり減る」なので、傷を消したり下手に磨くことを「ケースが痩せる」と言うくらいで、それを避けてあまり磨かれていない場合はあります。
また、新品と同じ感覚で買いたいようなら、「デッドストック」を探すと良いでしょう。(メーカーが製造して売ろうと思ったら何らかの理由で売らず(売れず)に今日まで眠ってきた在庫。)


Q.「良いところと悪いところは?」

A.良いところは『一点モノ』な点、悪いところは『機能性』。製造から様々なシチュエーションで長い年月を経ているので、一般的には同じ時計は2つとしてありません。その出逢いはもう二度とないと思っておきましょう。場合によっては、現行品よりも圧倒的なコストパフォーマンスで入手できるケースも。
但し、現代の成熟した時計とは異なり、防水性や耐磁性、耐衝撃性に劣る場合がほとんどです。優しく扱いましょう。それも腕時計の味、なんですけどね。


Q.「アンティークウォッチ買いたいわ。どこで買うの?」

A.わりとどこでも買えます。が!信頼のおけるお店で買いましょう!それはなぜでしょうか?
新品でない分、目に見えない腕時計の中身(ムーブメントの機械)がどんな状態か、私達には(一般的には)分かりません。また、メンテナンスも新品時計と同じかそれ以上に適切におこなう必要があります。それらを担保するためです。詳細や具体的なお店のおすすめはプライドを捨てたリンク集をご覧ください。


 以上、ご覧の通り、アンティークウォッチという選択は、新品の高級時計購入の上や下にあるものではなく、「別世界」です。だから、ぶっちゃけて言えば、「1本目の、1本だけ持つ高級時計!」としてはあまりおすすめはできないけど、それでもアンティークという選択は唯一無二なので、あなたのロマンに満ちた選択を心から応援したいと思います。

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※順次更新します。


【時計✕本:LOW BEATに学ぶアンティークの魅力とは?】

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