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【時計✕嗜好:流行も伝統もひっくるめて】
俗にいう「ファッションブランド」を選択することの意味を考えてみましょう。
こんにちは、平成のファッショニスタ、みちるです。時代は令和ですが、おそらく令和の方から僕に「ファッションについて教えてくださいよぉ」とか何とか言って泣きついてくるのは目に見えている、令和でもファッショニスタ、みちるです。こんにちは。
テーマは「ファッションブランドと時計専業ブランド」。どちらを選ぶことにどんな意味があるのか、どう選べばよいか分からないなら何を考えれば良いのか。そんなヒントを一緒に考えたくて今、筆をとっています。
では、そもそも両者の違いは何でしょうか。分かったつもりになっていますが、今一度、僕自身が正真正銘の素人として考えてみます。
これを知るためにはもうちょっと「背景」を知る必要があると思います。実は1960年代以降、「ブランドの大衆化」と言われるように、ファッションにおけるブランドという概念自体が一部の限られた人のものではなくなりました。具体的には、フランス・パリから始まり特権階級や権力の象徴であったところ(しかもこの頃は「オートクチュール」=オーダーメイド的な!)が、イギリス・ロンドンのストリートファッション等を先駆けとした「プレタポルテ」=既製服へ主戦場を移したことを指しています。たぶん。大体ね。
今ではどちらがどちらと定義するのも難しいのですが、オートクチュール、そしてプレタポルテで世界を席巻してきたブランドは列挙できます。例えば、シャネル、ディオール、それからイブサンローランやバレンシアガが流行って…等々。
…と、今最後に登場した「流行り」というのが、ファッションブランドという存在にとっての根源的な意味であり価値の1つであると思っています。これは後で書きますので覚えていてくださいね。
これは(これも?)文字通り、時計の製造(販売や修理から入った例も多々あるので)をメインとして営んできたメーカーです。あえて「ブランド」ではなく「メーカー」と書いてみたのは、そこに「モノづくり」という精神が根源的な価値の源泉にあるという願いからです。僕の浅はかな考えでは、そういったメーカーがさらにブランディングの努力を重ねて出来上がるのがブランドだと思っていますが、「メーカー」という言い方の方が何となくロマンチシズムに溢れていて好きなんですよね。はぁ、男ってホントばかっ。
1つ目は、ファッションブランドの中で、企業の文脈的には間違いなくファッションを始祖としながら、今では腕時計の製造にかなり注力していて、時計専業メーカーにも決して劣らない製品を生み出しているブランドがあるということ。誤解を恐れずに言えば、(いや、恐れてるんですけど。2chとかで「くそみたいな知識で勝手なことを書きやがって…!」とか炎上して家族ごとつるし上げられ、家のポストには毎日脅迫文が入り…という生活に怯えてるんですけど。)例えばシャネルは今や立派なマニュファクチュールですが、ディオールはやボッデガはそうではありません。(デザインがどうこうではなく。)だからたぶん、僕が日頃何気なく「ファッションブランドの時計」と言う時に指しているのは、後者なのだと思います。ここでもそう思ってください。
2つ目は、どちらとも言えないよね?というブランドがあるということです。なぜならば、僕がここで最初に「ファッションブランドと時計専業ブランド」なんていう分類をしてしまったものの、そのどちらでもないブランドもあるからです。例えば、カルティエとかティファニーとか、腕時計の製造ではないけど、ファッションというよりはずっと時計に近い(?)、「宝飾」というカテゴリに分類されると思います。この2社なんて下手な時計専業メーカーよりよっぽど時計メーカーですからね。カルティエだって世界初の腕時計を生み出したしね。…二者の選択を迫りながら、第三の選択肢が登場してすみません。ここでは忘れてください。
3つ目は、中身の機械(ムーブメント)について。
ファッションブランド(先に述べたところの後者)の中身は、一般的にはごくありふれた汎用品です。1万円未満の時計と5万円オーバーの時計で、中身が全く変わらないことも珍しくありません。また、腕時計の価格に対して非常に廉価な場合も多いです。いわゆる、「ブランド料」というやつですね。
但し、汎用ムーブメントの中に優秀なものも沢山あるので、一概にダメとは言えないのが難しいところですね。尚且つ、時計専業メーカーのムーブメントの中にも、「大したことない」くせに価格だけ吊り上げたようなものがあるのもこれまた僕らを悩ませます。まぁ、ファッションブランドに比べれば相対的・全体的に全くマシですけどね。
腕時計とモテの関係については、サイト内別ページで詳しく論じます。こちらをご覧ください。
まぁこんなふうに定義したり分類したり色を付けてみたり、議論を整理してみると、両者の違いは一目瞭然のようで、実は曖昧、でもないんだけど、というアンニュイな感じでしょう。
ファッションブランドを選ぶことは、流行を常に価値の源泉として取り込みながら、新しいスタイルを提案し続ける姿勢、そのブランドへの思い入れを自らが表すことになるでしょう。
時計専業メーカーを選ぶことは、モノづくりの姿勢、伝統的なメーカーとしての在り方やお作法、そして同時にそのブランドへ共感を示すことになるでしょう。
でも、どのメーカーをどちら側に括るのか。そのカテゴリをどう定義し位置付けるのか。その考え方の土台自体は、時計を愛でる張本人としての僕ら自身に任されているんですね。だから時計を選ぶって難しいし面白い。ロマンチシズム全開。
最後に『腕時計ロマンチシズム概論』として言っておきたいのは、誰がどっちを選んでもいいけれど、「自分が求めるものが何か?」をきちんと認識しておきましょう!ということでした。
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【時計✕嗜好:流行も伝統もひっくるめて】