いざ、購入へ!
(1)どんなお店で買う?イマドキはネット購入?
いよいよやって参りました!!!ラストシーン!ラストスパート!清水の舞台!ここまであなたは大変な努力をされてきました。耐え難きを耐え、忍び難きを忍び、腕時計を買うただそれだけのためにここまで来ました。但しここで何かをやらかそうものなら、ここまでの努力が水の泡になるかもしれません。例えば最後の最後で全く欲しくない時計に対して、意外とこれがツウなんじゃないか?あえての選択としてめちゃくちゃアリなんじゃないか?などと錯乱し正解に思えて来て買っちゃうなど、です。一方で、腕時計を買う瞬間というのは何物にも替えがたい喜びを得られるものです。その時計を買うという瞬間はもう二度と現れないのだから、それを味わいたいと思いますよね。心して、そして心踊らせて、購入に向かいましょう!お店で買う場合には以下の選択肢がありえます。それぞれのポイントとともにまとめてみましょう。
(1)ブティック
「腕時計を買う感」が最もあるのがこちらです。そのメーカーが独自の世界観で作り上げたラグジュアリーな空間で、貴重な一瞬を味わうことができます。
(2)正規代理店(デパートや総合時計店等)
販売員さんとの人間同士のやりとり・関係性が築けるのが一番のポイント。店ごとの雰囲気を味わえるのも良いですね。また、デパート等によってはポイント付与やクレジットカードによる割引があったり、総合時計店の中にはサービス品がついて来たりシャンパンを振る舞ってもらえたりする所なあり、これもまた貴重な体験となります。
(3)並行輸入店
前提知識のページですでに説明してきた通り、中古店とほぼ同様の雰囲気です。決して否定するわけではありませんが、1本目の時計で、人生の貴重なモニュメントとして記憶に刻みつけたいようであれば、もしかすると1や2の方が良いのかもしれません。なお、主に価格面における大きなメリットと保証面におけるデメリットがあり、それを含めて選択肢としたいようであれば、先にこちらをご覧いただきたいです。
(4)インターネット
最後はイレギュラーですがこんな選択肢も。高級時計のインターネット販売は基本的に(3)に近いイメージですが、最近ではタグホイヤー等、あえてブランド自身が新たな試みとしてネット販売をおこなうようなケースもあります。話題づくりには良いですが、やはりせっかくなら目に見える・手にとれるお店で腕時計と結ばれてほしいと思います。
(2)買う前に絶対にしてほしいこと
これは、シンプルです。
『必ず実物を見る!触る!試着する!』です。
ネットの画像で見ていたのとイメージが全然違うことも多々あります。自分の手首になじまないことだって考えられます。逆に、腕にハメてみて急に大本命になる時計もあるかもしれません。衝動買いだって全然アリですけど、そんな場合でもそうじゃなくても絶対に、いやこれは選ぶ段階で必須ですが、恥ずかしがったり面倒くさがったりせずに、必ず試着してくださいね。『腕時計ロマンチシズム概論』との約束ですよ。
(3)店員さんに嫌われない試着のマナー
それ自体が僕達の『目的』ではありませんが、お互いに気持ち良く過ごせるに越したことはありません。以下のことに気をつけてもらえれば良いと思います。試着させてもらう場合のマニュアルとしてお店の入り口まで復唱し続けてください。
(1)自分の腕時計やアクセサリーは外す!
必ず外してください。商品とぶつかって傷でもつけようものなら大ごとです。外したものは、大抵の場合、お店の用意してくれたトレーの上に置くように案内されますので従えばいいです。
(2)試着は基本トレーの上で!
万が一落とした時にもダメージがないように、手に持って見たり試着したりするのはトレーの上でしましょう。トレー外、しかもテーブル外で振り回したりすると、店員さんはヒヤヒヤするはずです。また、着用した全身の姿を見たいような時には、一言そう断わってからにしましょう。腕着用時の写真撮影なども撮らせてくれる場合があります。
(3)革ベルトは通せません!
革ベルトは一度穴を通すとその跡が残ります。そのため、試着の際は穴を通さずに腕にハメることになります。そのため、本当の着用感は分からない場合がありますので覚えておいてください。ステンレスのバンドの場合にも、コマ調整していない一番長い状態です。それはそれで想像を巡らせましょう。
(4)リューズやボタンの操作は一言断ってから!
時計の可動部には操作してはいけないものもあります。そのため、リューズ(竜頭)の巻き心地やボタンの押し心地を知りたい場合には、店員さんに一言断りましょう。ちなみに、その巻き心地や押し心地というのはメーカーやムーブメントやモデルによって大きく異なるので意外と重要な確認ポイントだったりします。
coffee break!「海外で購入…あり?なし?」「高級時計に『割引』ってあるの!?」
どこで買うかという話にもつながりますが、海外旅行などでの購入も考えられますよね。そんな時に覚えておいてほしいことを2つお伝えしておきます。
まず1つは保証について。Step1「正規品と並行輸入品」でもお伝えしましたが、メーカーによっては海外で購入した製品は「正規品」と見なされないことがあります。えっ!海外のちゃんとしたお店で買ったのに!?って思う方も多いので要注意です。
2つ目は、免税についてです。きちんとした免税手続きを踏めば、その分安く、ある意味で『割引で』買えるわけです。が!!為替の影響と、その国におけるメーカーの定価をよく考えましょう。意外と日本の方が定価が安く設定されていたり、円安のせいでほとんど割引効果がなかったりします。また、免税手続きにも十分注意しましょう。例えば、スイスはヨーロッパにありますが、「EU」ではありません。僕自身の経験として、スイスとドイツをセットにして旅行した際、ドイツで買った品物の免税を出発国のスイスでおこなおうと思ったら「できない」と言われて絶望したことがあります。ドイツでしようと思ったら「スイスでやれ」って言われたのに。不勉強でした。こんな犠牲者がもう出ないことを心から祈っています…。